突然ですが、『しんじょう君』って知っていますか?ゆるキャラファンにとっては、もはやおなじみの名前かと思いますが、そうでない人にはあまりなじみがないかもしれません。
『しんじょう君』は、高知県須崎市のマスコットキャラクター。県内はもちろん、時には全国を渡り歩いて須崎市の魅力をPRしています。まずはそのビジュアルをご覧ください。
茶色のカラーリングに、不思議なかぶりもの…ビジュアルを見ただけでは、なんの生物なのかイマイチ分からないですよね。
キャラクターのモチーフになっているのはニホンカワウソ。ではなぜ須崎市のマスコットキャラクターとしてニホンカワウソがモチーフにされたのでしょうか?
それから『しんじょう君』の「しんじょう」とは何を意味しているのか…
そこで、須崎市とニホンカワウソの関係性についてみていきましょう。
実は、2代目のしんじょう君
現在は、その愛くるしいビジュアルで全国に多くのファンがいる『しんじょう君』ですが、実は現在のデザインは2代目。
初代は、現在とは似ても似つかないほどのリアルなデザインで、リアルなカワウソそのもの…
お世辞にも可愛いとは言えないビジュアルに批判も相次いだようで、須崎市はもっと“ゆるい風貌“のキャラクターデザインを2012年から公募ししました。
そして2013年に、集まったキャラクター案で総選挙を行い現在の『しんじょう君』が誕生したのです。
『しんじょう君のプロフィール』
性別 男の子(カワウソ)
誕生日 4月28日
年齢 5歳くらい
趣味 おしゃれ、アニメ
特技 ダンス、水泳
口癖 ね★ね★、絶滅。。、もきゅ★
好物 にぼし、生ハム、鍋焼きラーメン、メジカ
頭にかぶっている不思議な帽子は須崎市のご当地グルメである鍋焼きラーメン。取り外しが可能で、イベントなどで仲良くなった他のゆるキャラに友情の証として、かぶせます。
須崎市とニホンカワウソ
須崎市は高知県の西部に位置する雄大な太平洋に面した市で、現在の人口はおよそ21,552人。
カンパチや鯛、ハマチなどの養殖漁業のほか、全国一位の販売額を誇るミョウガの栽培を中心とした農業も盛んに行われています。
一方のニホンカワウソはというと、体長は64.5〜82.0cm、尾長は35〜56cm、体重は5〜11kgほどの動物。
明治時代までは日本全国の河川に棲息していたニホンカワウソは、1964年に国の天然記念物に指定され、その翌年には特別天然記念物に指定されました。
しかし、1979年以降は確かな目撃例がなく、2012年には絶滅種に指定。
ただ、1979年以降にも不確かながら日本各地で目撃情報があり、現在も調査を続けている大学や団体がいるとのことです。
「1979年以降は確かな目撃情報がない」ニホンカワウソですが、なにを隠そうこの最後の目撃場所こそが須崎市を流れる新荘川だったのです。
そんな理由に目をつけ、地域振興と環境保全のシンボルとして須崎市が2002年に誕生させたマスコットキャラクターが『しんじょう君』です。
名前の由来は、地元の新荘川を「いつまでもできる限り美しく子孫に残しておきたい川」との思いに加え、「信条」と「真情」の意味も含まれています。
ゆるキャラグランプリ出場と優勝
2013年には、ゆるキャラの人気No.1を決定する「ゆるキャラグランプリ」に初出場。
その年は栃木県の『さのまる』に優勝をさらわれますが、そこから4年連続で出場し2014年と2015年は4位。
そして2016年には念願の1位を獲得し、ゆるキャラ界の主役へと躍り出ました。
これをきっかけに全国的なブレイクを果たし、今では全国あちこちの地域イベントやメディアに引っ張りだことなった『しんじょう君』。
子どもからお年寄りにまで愛されるキャラクターは、今日もどこかで元気に須崎市のPR活動を行っています。
しんじょう君がしていること
2016年に「ゆるキャラグランプリ」で優勝をしたあとも、たくさんのジャンルで活躍している『しんじょう君』。
優勝を飾ったその月に、高知県初の「高知県キャラクター観光特使」に任命されました。
翌年には日テレの人気番組「ぐるぐるナインティナイン」への出演や、宣伝隊長を務めるふるさと納税の10億円突破。
その後もイギリスや台湾など、世界中に高知の魅力を伝える活動をしています。ほかにもYouTubeへの出演やeスポーツでの優勝、DJ活動、アニメ化にCMへの出演など多くのジャンルに渡って世界中で活躍中です。
公式でしんじょう君のブログやYouTube、インスタグラムなどのSNSも更新しているので、気になる人はチェックしてみてくださいね。
ビジュアルが似ている『ちぃたん』との関係は…?
ちなみに、高さ3メートルにまで積み上げた一斗缶からダイブしたり、天井に吊るされたボールに向かってダイビングヘッドしたりといった破天荒なチャレンジで、最近少々世間をお騒がせ(?)している『ちぃたん』にそっくりですが、血縁関係などはありません。
ちなみに『ちぃたん』は、もともと東京の秋葉原をPRするために誕生したマスコットキャラクター。モチーフになっている動物もニホンカワウソではなく、コツメカワウソの妖精です。
ただ、須崎市の観光大使にも任命されているので、『しんじょう君』との交流の機会も多く、イベントやメディアでのコラボレーションも頻繁に行われているようです。