自然

今や世界に誇れる高知の「仁淀ブルー(NIYODO BLUE)」

今や世界に誇れる高知の「仁淀ブルー(NIYODO BLUE)」

「四万十川」「吉野川」「物部川」……。
自然豊かな高知県には何本もの美しい川が流れ、その清流のせせらぎに癒しを求めるように全国から多くの観光客が訪れています。
中でも、近年もっとも注目を浴び人気が急上昇しているのが「仁淀川」です。
現代日本の川とは思えないほどの神秘的な「青色」に魅了されるのは日本人だけでなく、今では「NIYODO BLUE」の愛称で海外にまでその名が知れ渡っています。

今回は高知県が誇る一級河川「仁淀川」の魅力をご紹介します。

“河川大国”の高知が誇る美しき青の仁淀川

“河川大国”の高知が誇る美しき青の仁淀川

今も昔も、高知県の川といえば「四万十川」を思い浮かべる人のではないでしょうか。

高知県西部を流れる「四万十川」は全長196kmの四国最長の川として、全国的にも知名度が高い一級河川です。
また本流に大規模なダムが建設されていないことから、「日本最後の清流」とも呼ばれています。

県外在住であっても、「四万十川は見たことがある」あるいは「知っている」という人も多いはずです。

そんな中で、高知県の観光スポット、とりわけ川といえば「四万十川」が一般的であったこれまでの常識を覆すかのように、人気と知名度がグングンと伸びているのが「仁淀川」
長さは延長124km、流域面積は1,560㎢の「吉野川」「四万十川」に次ぐ四国第三の一級河川です。

川の長さこそ「四万十川」には及びませんが、「全国一級河川の水質ランキング」において、平成24年〜27年までの3年連続で1位に選ばれほどの美しい水質こそが最大の魅力です。

濁りを一切感じさせないほどの高い透明度どころか、晴天時の空の青色が溶け込んだかのような神秘的な「青色」の水は、「四万十川」を凌ぐほどの美しさがあります。

このような美しい特徴からついた愛称は「仁淀ブルー」
評判はあっという間に海を越え、海外では「NIYODO BLUE」として坂本龍馬よりも有名な存在となっています。

「仁淀ブルー」の由来は?

 

「仁淀ブルー」の由来は?

現在では世界でも知られる川となった「仁淀川」ですが、ではいつから、そして何がきっかけとなって「仁淀ブルー」という愛称が誕生したのでしょうか。
「仁淀川」が「仁淀ブルー」と呼ばれるようになったのは2012年から。
この年の3月に放送されたNHKのスペシャル番組で「仁淀川」が紹介されたのがきっかけです。

放送終了後から、そのあまりにも美しい清流は話題を呼び、「仁淀川」の知名度はたちまち急上昇。それまで高知県の川の代表格であった「四万十川」と並び称されるまでになりました。

「仁淀ブルー」はいつでも見られる?

 

「仁淀ブルー」はいつでも見られる?

今では、日本中どころか世界中の人々が神秘的な青色を求めて仁淀川へと訪れていますが、実は「仁淀ブルー」は1年中体感できるわけではありません。

基本的に、最も美しい「仁淀ブルー」が見える時期は8月〜1月半ばの間
であるといわれています。
それ以外の時期に訪れても、藻類などの繁茂により残念ながら少し濁った緑色に見えてしまうので注意が必要。

仁淀川が発揮する「真の青色」を存分に堪能するためには、見頃であるシーズンを狙って訪れるのが良いでしょう。

仁淀ブルーが見られる場所

仁淀ブルー

「仁淀ブルー」は仁淀川の上流で見られる場所がいくつかあります。どのスポットも高知市内から車で1時間半以内の場所で、それはもう美しい仁淀ブルーを堪能でるでしょう。

「にこ淵」

高知市内から車で約1時間30分ほどの場所で、高知から愛媛方面へ国道194号線を吾川郡いの町清水上分にあります。

日の光の当たる時間帯や日の差す角度によって、幻想的な仁淀ブルーを見ることができるでしょう。

「安居渓谷」

高知市内から車で約1時間20分ほどの場所です。「飛龍の滝」「昇龍の滝」「みかえりの滝」「背龍の滝」など見応えのある場所の多いスポットです。

その中でも「水晶淵」は特に川の透明度が高く、安井渓谷の仁淀ブルーを堪能できます。

「中津渓谷」

高知市内から車で約1時間10分ほどでいける場所です。「紅葉の滝」「雨竜の滝」「龍宮淵」「石柱」など、水によって作られた自然のアートに心癒されるでしょう。

中津渓谷は他の仁淀ブルーが見られる場所よりも、アクセスが簡単で安全です。気軽に仁淀ブルーを堪能したい方におすすめの場所ですよ。

 

仁淀川の楽しみ方は「仁淀ブルー」だけではない

 

「仁淀ブルー」の由来は?

仁淀川と聞くと、どうしても「仁淀ブルー」を期待してしまいがちですが、仁淀川の魅力は川の「青色」だけではありません。

川の中流域や下流域では、釣りはもちろんキャンプやカヌーといったアウトドア体験を満喫できるほか、サーフィンに適した上質の波が立つ河口付近は世界有数のサーフィンスポットとして知られ、世界中から多くのサーファーが訪れています。

また、支流である「安居川」や「中津川」の上流域には、それぞれ「安居渓谷」や「中津渓谷」といった美しい渓谷があり、息を飲むようなダイナミックな滝や、太古の昔から育まれた原生林、夏の深緑や秋の紅葉や、原風景に溶け込んだ沈下橋など、「仁淀ブルー」に負けず劣らずの絶景をあちこちで楽しむことができます。

仁淀川を楽しもう

仁淀ブルー

このように、仁淀川の魅力は決して「仁淀ブルー」だけにとどまりません。
川とその周辺の景観が映し出す四季折々の美しさと楽しみ方がありますので、たとえ、「仁淀ブルー」に出会えない時期での観光であっても、たっぷりと仁淀川の魅力に触れることができるはずです。

「仁淀ブルー」として数多くのメディアに取り上げられ、今ではすっかり高知県の顔とも呼べるほどの知名度と人気を得た「仁淀川」。「仁淀ブルー」こそ、時期によっては見ることができませんが、いつ訪れたとしても、それぞれの季節に合わせて表情を変え、私たちを迎え入れてくれます。これほど美しい景勝地だと、街中からは随分と離れているイメージがありますが、高知市内からでも車で1時間ほどとアクセス良好で気軽に立ち寄ることができます。

ぜひ一度、足を運んでみてください。