南国土佐|高知生まれの『よさこい祭り』
よさこい祭りは1954(昭和29)年、戦後の復興と市民の健康と繁栄を祈り、高知商工会議所と高知市の共催で始まりました。終戦後、空襲の被害を受けたばかりのところに追い打ちをかけるように、南海地震が県土全域を襲いました。
そんな市民を勇気づけ、不況を吹き飛ばすため誕生したのです。
開催日は、過去40年間のデータを集め降水率の少なかった8月10日と11日に決まり、第一回は21団体750人の踊り子がよさこい鳴子踊りを披露しました。
そして、1991年からは9日に前夜祭、1995年からは12日に後夜祭、1999年からは同じく12日に全国大会が開催されるようになり、現在は8月9日から12日までの4日間行われるようになったのです。
この4日間、色鮮やかな踊り子たちが舞い踊り高知市内はよさこい祭り一色となります。
9日の前夜祭では、前年の受賞チームが演舞を披露しよさこい祭りが開幕。
本祭は10,11日に行われ、各チームが市内16か所の演舞場、競演場を回ります。演舞場では審査がありませんが、競演場では審査があり、この本祭で受賞したチームは12日の全国大会と後夜祭に出場することができます。
12日の全国大会では各県の代表チームも参加し演舞を披露します。そして、後夜祭で受賞チームが踊りよさこい祭りは閉幕となります。
よさこい祭り4つのルール
ところで、よさこい祭りに4つルールがあるのはご存知でしょうか?
まず一つ目のルールは
「鳴子を持ち前進する振り付けであること」
元々農作物を狙う鳥を追い払うための道具であった鳴子という物を持ち、音を鳴らしながら踊ります。それから、極端に曲が遅くてなかなか前進しなかったり、左右の振りやその場踊りが多くて前に進まなかったりというような振り付けはNG。
二つ目は
「曲の中に必ずよさこい節が入っていること」
高知県の民謡であるよさこい節が入っていれば、和調でもサンバでもロックでもアレンジは自由!
三つ目が
「踊り子は1チーム150人まで」
提灯やフラフを持つ人も含みます。また、あまりにも少ない人数では参加できない場合もあります。
四つ目が
「地方車は車長9m以内、高さ3.6m以下」
踊り子を先導する地方車を1チーム1台用意します。その地方車もデザインは自由です。
このようにルールはとてもシンプル。アレンジもし放題なのでチームのカラーを出すことができますし、年齢、性別を問わず誰でも参加できます。
開催当時は伝統的な盆踊り風だったようですが、今では200チーム以上の参加があるにもかかわらず、衣装、音楽、振り付け等、それぞれのチームの個性があり、ずっと見ていても飽きることがありません。
高知でみんなが主役になれる夏
それから、踊り子さんにも楽しみがありますよ。
各競演場、演舞場には審査会場があり個人メダルを授与されます。これは、踊りが上手な人だけでなく、笑顔で楽しく踊っている人や頑張っている人がもらえるようですね。また各会場共通のメダルに加え、会場オリジナルのメダルもあり、特に、追手筋本部競演場で本祭の夜だけ配られる赤い花メダルは、踊り子みんなの憧れです。
このように、見るのも踊るのも楽しい魅力たっぷりのよさこい祭り。
それぞれの持ち味を出して、毎年工夫を凝らした踊りや衣装で観客の目を楽しませてくれます。
年々人口減少が深刻になっている高知県ですが、よさこい祭りをキッカケに移住までしてくれる若者もいます。
過去にはチーム内でカップルが出来て結婚につながったり、観客や踊り子はもちろん、裏で支えてくれているスタッフも、みんなが一緒になって楽しむのが本場高知のよさこいです。